最近日本でも食生活の欧米化や運動不足から肥満や糖尿病の人が急激に増えています。最近の報告では、日本の成人男性の約3人に1人、女性の約5人に1人は肥満であるといわれ、全体で3,000万人以上に及びます。
肥満になると、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、耐糖能異常などの生活習慣病が重なって発症しやすく、それぞれの程度は軽くても急激に動脈硬化が進みます。そして最終的には心筋梗塞、脳卒中などの血管の病気が起こりやすくなります。これらの現代病は、体重を減らすことで多くの症状や状態を改善したり予防したりすることができます。
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の過剰な蓄積をもとにして、同じ人に糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)などが複数重なって、動脈硬化や心血管障害などのリスクが高まった状態のことをいいます。 内臓脂肪の過剰な蓄積は腹囲測定から推定が可能で、ウエスト周囲径測定が基準になります。耐糖能異常、高血圧、高脂血症のうち、肥満を含んで3つ以上該当する場合に、メタボリックシンドロームと診断されます。